カテゴリー「書籍・雑誌」の記事

スケールが違う。(エンダーのゲーム)

エンダーのゲーム (ハヤカワ文庫 SF (746))
ふとした事がきっかけで教えて頂いた本だったので、読みました!という事と、教えてくれて有り難うございます、という意味を篭めて、ここでご紹介させて頂きます。ご本人が、こちらを覗いていらっしゃるかどうかは、定かではありませんが。苦笑。

まず、タイトルを聞いて、このタイトルのENDERっていうのは、何だろう?とあれこれ考えを巡らせました。人の名前なのか、それとも通称なのか。END(ER)という事なら、もの凄い名前だなぁと。
何となく、人類補完を目指す(違います)エヴァ〜が頭に過るようなお話でした。もしくは、テッカマンブレード?系統の。何となく、宇宙人に侵略される地球を守るアニメに重なる部分が多いなあ、と。おそらくこのお話が与えた影響というものが、それだけ大きかったのかな?と勝手に推察してみたりしています。
最後に待っていた結末は、流石にびっくりしました。紙面の残りを考えながら、「このまま本当に上手にまとまるんだろうか?」と第三次バガー戦役に不安を覚えたのは何だったんだろうと密かに勘繰ったりもしたのですが、全然なんて事は無い、「そう言う事だったのか!」と驚きつつも、ある意味納得のいく、キレイな終わり方だったと。
読了後、最初に思ったのはタイトルです。まさに、「エンダーのゲーム」だ。本当に、エンダーにとっては「ゲーム」だったという所が、すごいなぁと驚嘆の極みでした。同時にゲームでなければならなかったのだ、とも。
まだ少年の指揮官を取り巻く人間関係も生々しく、複雑で、ぐいぐい引き込まれてしまいます。全てにおいて、スケールが大きくて久しぶりにSF小説を「読んだ!」という気分になりました。
翻訳物は苦手(というより、訳書に相性が合わないものが多々…)意識が先に立ち、つい手が遠ざかってしまうのですが、そんな自分を叱咤したくなります。他にも訳されているものが幾つかあるようなので、探しつつ、読み進めていきたいです。

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毎週一冊?

まひるの月を追いかけて
自分でそうした訳では一切ないのですが、最近何も用事のない日曜日には一冊ずつ日本から持ってきた、読んでいない文庫本が消化されています。今回は、恩田さんの本。買ったはいいけど、読む機会を逃したうえに先に知人に貸してしまったので、改めて読んでみました。
恩田さんらしいといえばらしい、でもちょっと毛色の違う話だなぁとも思いながら読み進める。展開もなんとなく読めてはいたものの、途中の言いようのない歯がゆさというかもどかしさを最後のシーンが気持ちの上では洗い流してくれたかなぁというような、そんな切ないラブストーリーだったんじゃないかと思います。

それから途中で止まっていた「余白の愛」も最後まで読みました。ジャスミンのくだりは、興味深い反面、とても胸を衝くえぴそードだなぁと思いましたが、やはり何というんだろうか…全体的に美しすぎるお話で、ファンタジーだなぁと思う部分はたくさんありました。突発性難聴…近いものに罹ったことがある上に、なんとなく、そう仕事をするようになってから耳が時々うまく聞こえない(水が詰まっているようになる)身としては、実は他人事じゃなくてちょっとぞっとします。

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神代先生?!

風信子の家―神代教授の日常と謎 普段は新書サイズまたは文庫本になるまで手は出すまい!と強く心に誓っているのですが(時々魔が差すこともあり)、唯一篠田さんのお話でマトモに買い進めているシリーズ、しかもべらんめえな神代先生が主人公とあっては、買わない訳にはいけないだろう……と、買ってしまいました。原罪~の後、少しずつ日常生活に慣れていくのですが、やっぱりどこかで自分が異端だと分かっていて、それに正面から向かうだけの強さを持てずにいる蒼を見ると、よくぞ頑張って成長してくれたものだと快哉を叫びたくなる気持ちです。深春さんは良い具合にこのお話のムードメーカーだなぁと、登場するどの作品を見ても思うのですが、これも。京介も、こんな優しい気持ちのままでいられるなら、脆いかもしれない、一瞬の夢なのかもしれない、それでもこれが一つの家族なんだなぁと思わせてくれる、神代先生の家での暮らしが救いになっていたのではないかなぁと、つくづく思いました。

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らしいなぁ。

黄昏の百合の骨 本屋で目に付いたので、購入しました。読んでみた感想は……良くも悪くも恩田さんらしい話だなぁと。そしてふと思うのは、恩田さんの描く女性と男性の差でしょうか。彼女の女性は「達観して、老成した」気配を持つ、異端視としての早熟な女性と「無知で、愚かで、自らの容姿(かわいさ)を武器とすることを本能で察している」傲慢さを持つ女性が大きく区別して描かれることがままあると思います。それに対して、男性というものはどこか繊細な心を持ちながら女性に焦がれる存在として描かれることが多いんじゃないかなぁ。本当はどうだか分かりませんけど。ただ、時折…そう、時折。悪意があるのではないかと感じるくらいにクローズアップさせられる女性の闇とも言える部分に、ふと恐怖を覚えるのです。

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うまいなぁ。

余白の愛 トップとルックを買ったついでに、手をのばしてみました。小川さんのご本は、何となく今買うのはちょっとなぁ…という迷いもあったのですが、タイトルと、表紙が個人的に大変気に入ってしまったので、図書カードもあることだし…と、自分を納得させて。でも、「博士の愛した~」は買わないところが、なおいらしいなぁ…と思ってしまいました。
さらりと読んだ感触としましては、ああ、感受性の鋭い方なんだなぁと思う部分と、潔癖な方なのかなぁ?と思う部分が入り混じっているような文体ですね。それから、大変女性らしい、繊細な文を書かれる方なんだな、と思いました。耳が聞こえないからこそ、聞こえる音がある。それはとても素敵な事なんだと思います。好きだなぁ、こういう観点。
文体はちょっと好みから外れているような気もしますが。一冊がどれも手に取りやすい厚みで、ふとした時に手に取れるのがいいな、と今度からの活字が読みたくなったら探る本棚リスト(心の中の)に、加えておこう。
それにしても、この方、タイトルのセンスが素晴らしいですね。思わず手に取りたくなるようなタイトル。これは、もう…持って生まれた才能なんだろうな。羨ましい。そのセンスの10000分の1でも分けてくれないだろうか…。泣。

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透明な言葉

ななつのこものがたり 言葉に透明感があるとするなら、この人の言葉はきっと遠くが透けて見えるくらい優しい何かで紡がれているんだと思う。本屋で見かけて、速攻購入したはいいけれど、全然手に取らず、他人に貸したままになっていた本が戻ってきました。それが、この本。劇中劇ではありませんが、作中作とでもいうのかなぁ?「ななつのこ」という小説の中で主人公の愛読書。あやめさんは、優しくて、賢くて、そして大人なんだと思います。
加納さんのお話は、どれもどこかに転がっていそうな日常なのに、その中に潜んだ優しさだったり、すれ違いだったり、そして悲しくなるくらいの深い愛情だったりを実に繊細なタッチで書かれています。そして、どんなに悲しいお話も、そこに悪意が潜んでいても、読み終えた後ですっと心の中から話が昇華していくような、そんな透明感を持った文章。最近一気に読み進めた坂木さんのお話にも通じるものがあるかもしれませんが、書かれた文章がとても優しく感じます。感受性がとても豊かで、辛いことも優しさの中に包み込んでしまうことができる人なんだろうなぁと勝手に思っています。最近は「てるてるあした」がドラマ化したり、注目度も上がってきているのかしら?嬉しいような、寂しいような。

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久しぶりに読み返す。

解体諸因 Book 解体諸因

著者:西澤 保彦
販売元:講談社
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西澤さんの新刊が出ていたので、とりあえず購入。そして、ついでとばかりに(シリーズ違いではありますが)数年ぶりに読み返してみた、解体諸因。この人の話は毎度設定がすごいなぁ…と、その発想力に脱帽せずにはいられません。ミステリーなのに、SF。テレポーテーションしちゃったり。それでもつじつまを作品の中で合わせてしまうというか、作品の中でSF要素のルールも作っていらっしゃって、それがミステリーの解決に繋がってくるからすごいというものです。最初に読んだ話は「麦酒の家の冒険」だったので、タック&タカチの話が一番好きなんだろうなーと漠然と思っていますが、チョーモンインのシリーズも、一話完結のお話も、結構どれも好きだなぁ…と思います。
解体諸因は、オムニバスの短編集。最終的には、全部の話が繋がる…のですが、それぞれの話は独立していて、それのみでも楽しめるお話というところが読みやすい。なんというか、人間の汚いところや、純粋すぎるがゆえの異常な部分、突拍子のない部分が常識や普通の感覚と同列に描かれているのが西澤さんだと思います。それでいて、この人の話では、人物が決まっておかしくて、あたたかい。どんなに駄目な人間でも、そこに哀しさを感じずにはいられないのが、西澤さんの優しさなのかなぁ…と思ってみたりします。タックの飄々としたところも、タカチの他者を寄せ付けない自己防衛の姿も、ボアン先輩の放浪癖も、そしてマスコットという地位に甘んじているけれど、誰よりも他人との繋がりを重く考えていたウサコも、みんな愛しい。悲しみも苦しみも、楽しみも、喜びも、全部をミックスして、とある大学の成り行きで形成された4人をメインに進む話は、学生ゆえの青さだったり、大人が故の諦めだったりを感じさせて、当時学生だったなおいにとっては、とても新鮮なお話でした。最近は私生活がままならなかった?ようで、すっかり寡作な西澤さんですが……。新刊が本屋さんに並んでいるのを見ると、自然に手が伸びてしまう作家さんの一人です。

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